同じ基盤を3社に展開した業務管理システム — 磨いた共通基盤を、印刷・受発注の現場へ

印刷会社3社に同じ業務基盤を展開した。受発注・見積もり・指示書を1つの共通システムに、受発注から出荷まで一気通貫。

ざっくり言うと

  • 会社ごとにバラバラだった受発注・見積もりの作業
  • 1つの共通システムを磨いて、3社にそのまま展開した
  • 2社目からは、短い納期・低いコストで導入できた

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開発事例 カテゴリ: システム開発・アーキテクチャ / 共通基盤の横展開
この事例の骨子
対象
印刷・受発注の業務管理
(共通基盤を3社へ横展開)
方式
共通基盤の横展開
(社別の差分だけカスタム)
効果
2社目以降を短納期・低コストに
(運用ノウハウも横展開)

前提: 似た業務なのに、毎回ゼロから作る非効率

印刷・受発注まわりの業務(見積、受注、案件・顧客の管理、進行状況の把握)は、会社が違っても骨格はよく似ています。それでも現場ごとに細かな違いがあり、市販の業務パッケージでは過不足が出ます。

かといって1社ごとにゼロからシステムを作ると、毎回フルコストがかかり、納期も延びる。いわば"車輪の再発明"の繰り返しで、中小規模の会社には大きな負担です。

この事例では、その再発明をやめました。1社目で固めた共通基盤を、2社目・3社目にそのまま載せ替えています。以下、「1社目で何を作り、2社目からは何が変わったか」の順にご紹介します。

1社目: 共通基盤をゼロから固めた

最初の1社は、いわば土台づくりの工程です。どの会社でも使う部分と、会社ごとに違う部分を最初から切り分けて設計し、共通基盤の側をしっかり固めました。

  • 顧客・案件・受発注データの管理画面 (Admin)
  • 権限・ユーザー管理、一覧・検索・帳票の土台
  • 本番データベースへの安全なアクセス設計

業務システムは止まると事業が止まります。だから本番データベースへのアクセスは参照専用ユーザーと踏み台SSH経由を強制し、事故を起こさない運用設計まで基盤側に組み込みました。ここで手を抜かないことが、次の会社への展開をそのまま支えます。

技術スタック

フロント / 管理画面React
サーバCakePHP (PHP)
データベースAmazon Aurora (MySQL 互換)
安全運用踏み台 SSH 経由 + 参照専用ユーザーの強制 (本番事故の予防)
基盤AWS
ポイント: 土台はゼロからの発明ではありません。私たちが印刷業界向けに自社運用してきた受発注システムの蓄積、つまり自分たちで作って・使って・直してきた経験が、この共通基盤の下敷きになっています。

2社目・3社目: 差分だけ作った(ここが速い)

2社目からは、この共通基盤をそのまま再利用します。開発したのは、会社ごとに違う部分だけです。

  • 各社の商材・価格・承認フローに合わせた項目と画面
  • 既存の運用・他システムとの接続

毎回ゼロから作るのに比べて作る量そのものが減るので、期間もコストも圧縮できます。こうして印刷・受発注の分野で、同じ基盤を3社に展開しました。

もうひとつの利点は、運用ノウハウの波及です。1社の運用で見つかった改善は共通基盤に反映され、他の会社にもそのまま効きます。「1社専用に作って終わり」ではなく、基盤が磨かれるほど次の導入が速く・安くなる構造です。

ご注意: 本ページは特定の取引先を示すものではなく、採用した構成と設計の考え方(共通基盤の横展開)をご紹介するものです。

共通基盤は「育てる」もの

この事例から中小企業の経営者にお伝えしたいことは、2つに絞れます。

同業種は、業務の骨格が似ている

「うちは特殊だから」と思われることが多いのですが、見積・受発注・案件管理の骨格は同業種で共通点が多いもの。だからこそ横展開が効きます。御社の業務にも、この考え方はそのまま応用できます。

"1社専用"より"磨いた基盤の再利用"

ゼロから作るより、実運用で鍛えた基盤を載せ替える方が、速く・安く・安定します。私たちが自社プロダクトで土台を持っていることが、この方式の裏付けです。

開発担当より: 共通基盤って"作る"より"育てる"もんなんです。1社で見つけた改善が他社にも効く。このループが回り出すと、システムがどんどん賢くなっていきます。